離婚して不動産の名義だけを変えてしまった場合の事例

2021/03/29

【ご相談者】60代の女性

【状況】10数年程前に離婚

【マンションの名義】購入当時は共有名義

【住宅ローン】契約者は夫

【経緯】離婚した時、

元夫の名義を、妻に名義変更。

妻はそこにしばらく居住。

住宅ローンの契約者はそのまま元夫、

実質の支払いは妻がしていたようです。

返済用の通帳は預かっていた模様。

 

そして月日が流れ、

子供も独立し、

仕事の都合で、彼女自身もこのマンションにはもう住まなくなり売却を検討。

 

●名義は100%元妻

確かに、名義は彼女100%なので、売る、売らないは彼女の自由。

しかし、

まだローンの残債は残っていた。

 

 

●問題は??

売主側としては、買主が支払うお金を使って住宅ローンを完済し、物件についている抵当権(←担保)を外してから、買主に引き渡さないといけない。

しかし、この抵当権の抹消、ローンの契約者が銀行とやりとりしてやるのが通常。

 

しかし、

離婚後、10数年経っていたこの時、

すでに元夫と彼女は音信不通。

最後のその手続きができない、という問題が発生。

 

 

物件に住んでいない元夫は、原則銀行との契約上は違反。

銀行に正直に話していいものか、、、と悩みましたが、もう仕方ない全て話した上で、

どう手続きすればいいかを聞いてみたところ、

あれこれすったもんだした後で、

なんとか代理で彼女が手続きできることに。

 

 

●一番の問題点

名義だけを変更して、ローンについては放置したこと。

 

離婚したけどその後も妻だけが住み続けるパターン、結構やりがちなので、ご注意を。

元夫の名義、元夫の住宅ローン、

この辺を無視して支払いだけ私がすればいいんでしょ(←慰謝料がわりにお金だけ払ってもらうとか)とやってしまうと、後々、弊害が出てくるのです。

 

今回は名義だけ変更していて、その後銀行に何もバレずにきた、

そして売るときも銀行が代理を承諾してくれた、のでセーフでしたが、すべてこれが通じるかというと?そんな保証はありません。

 

 

ケースバイケースで、うまくいくことばかりではない。

離婚手続きの前に、、

ちゃんとその辺を踏まえた財産分与などを計画しましょう。

 

一人でわからない場合は、弁護士、司法書士、離婚問題に詳しい不動産屋、に相談してくださいね。