【ご相談者】60代の女性
【状況】10数年程前に離婚
【マンションの名義】購入当時は共有名義
【住宅ローン】契約者は夫
【経緯】離婚した時、
元夫の名義を、妻に名義変更。
妻はそこにしばらく居住。
住宅ローンの契約者はそのまま元夫、
実質の支払いは妻がしていたようです。
返済用の通帳は預かっていた模様。
そして月日が流れ、
子供も独立し、
仕事の都合で、彼女自身もこのマンションにはもう住まなくなり売却を検討。
●名義は100%元妻
確かに、名義は彼女100%なので、売る、売らないは彼女の自由。
しかし、
まだローンの残債は残っていた。
●問題は??
売主側としては、買主が支払うお金を使って住宅ローンを完済し、物件についている抵当権(←担保)を外してから、買主に引き渡さないといけない。
しかし、この抵当権の抹消、ローンの契約者が銀行とやりとりしてやるのが通常。
しかし、
離婚後、10数年経っていたこの時、
すでに元夫と彼女は音信不通。
最後のその手続きができない、という問題が発生。
物件に住んでいない元夫は、原則銀行との契約上は違反。
銀行に正直に話していいものか、、、と悩みましたが、もう仕方ない全て話した上で、
どう手続きすればいいかを聞いてみたところ、
あれこれすったもんだした後で、
なんとか代理で彼女が手続きできることに。
●一番の問題点
名義だけを変更して、ローンについては放置したこと。
離婚したけどその後も妻だけが住み続けるパターン、結構やりがちなので、ご注意を。
元夫の名義、元夫の住宅ローン、
この辺を無視して支払いだけ私がすればいいんでしょ(←慰謝料がわりにお金だけ払ってもらうとか)とやってしまうと、後々、弊害が出てくるのです。
今回は名義だけ変更していて、その後銀行に何もバレずにきた、
そして売るときも銀行が代理を承諾してくれた、のでセーフでしたが、すべてこれが通じるかというと?そんな保証はありません。
ケースバイケースで、うまくいくことばかりではない。
離婚手続きの前に、、
ちゃんとその辺を踏まえた財産分与などを計画しましょう。
一人でわからない場合は、弁護士、司法書士、離婚問題に詳しい不動産屋、に相談してくださいね。